赤ちょうちんでひとりごと

音楽を愛して止まないAKKOのお気楽なひとりごと。自分の好きなことや感じたことを徒然なるままに綴ってます。

日本人の血

このところ何をやっても物事がなかなかうまく運ばず、凹みがちなAKKOです。なんとか気分を盛り上げようと、今日は走りながらラテンJAZZなどを聞いてみましたが、なかなか気持ちが上向きになってくれません。時が解決してくれることもありますから、焦らず寛か(くつろか)に時を待つのも必要かもしれませんね。

ラテンといえば、アメリカのフェスなどでラテン系のステージを見たりすると、ステージを盛り上げる際の手拍子が、ほとんどの聴衆(老若男女)で合ってしまうから驚きです。日本人には難しいとされるラテン系の特有のリズム「クラーベ」の手拍子もピッタリ!おそらく「クラーベ」自体がラテン人の日常生活に入りこんでいるリズムなんでしょうね。

ちなみに「クラーベ」はこんな(↓)リズムパターンのことです(ほとんどの方は「ああ、これね~」と聞いたことのあるリズムかと)。

Clave_2 

私はアマチュア社会人Jazz Big Bandのメンバーとして、市民会館のようなステージに立った経験があるんですが、みんなが知ってる有名なJAZZナンバーなどを演奏して、聴衆がノッてきた時に起こる手拍子、なぜか必ず合わないんです・・・。1拍目にこっちで手拍子「パン」、2拍目にあっちで「パン」と輪唱みたいになっちゃう(演奏している方はかなり演りづらい・・・)。

JAZZの合いの手って2拍4拍のいわゆる「裏拍」なんですが、日本人の血には「行進曲(マーチ)」や「演歌」などの1拍3拍の音楽遺伝子が、デフォルトとして脳や体に自然と組み込まれているんでしょう。

それを痛烈に感じたのが、以前所属していたJazz Big Bandで那須に演奏旅行に行った時ですね。演奏旅行といっても実はバンドの慰安旅行を兼ねていて、泊まった旅館でお客さんの前で演奏するかわりに、宿代をタダにしてもらうというものでした。

その旅館に那須の地元の演歌歌手(仮に荒木三郎さんとでもしておきましょう)が、どこで噂を聞きつけたのか「自分の歌を是非生のビックバンド演奏で歌いたい」と譜面を持参し、リハーサル中になぜか突然現れたのです。

私たちのような素人の演奏でも是非やりたい、と言って下さったので、「せっかくいらしてくれたのでやってあげよう」ってことになり、その場でメンバーにパート譜面が配られ即練習へ。荒木さん(仮名)の持ち曲は「那須の春」「那珂川の思い出」みたいな題名の、いわゆる、ド演歌です。

初めて見る譜面(音楽用語で「初見」といいます)なのにもかかわらず、練習30分後の合わせ演奏ではみんな見事に仕上がってました。本番のステージではみんなノッてきちゃって、演奏にこぶし的な要素を盛り込んだり、抑揚も感情もすっごく入って、とてもいい伴奏になっており、荒木さん(仮名)も大喜びで大満足のいいステージになったのです。

自分たちが持ち曲の中に入れていたラテンの曲なんて、何十回何百回練習してもキメのリズム(特に裏打ち)が全然合わないのに、演歌の伴奏はこんなにあっさりと、しかも情感たっぷりに演奏できるなんてびっくりです。やっぱり私たちって「日本人の血」が流れてるんだなあ~。

感覚でなんとなくわかる(できちゃう)自国の文化と、努力しても自分の感覚として身につけるのは難しい異国の文化。でも異国の文化を経験して、自分の日本人としてのアイデンティティを再確認するというのも悪くないですね。これって英語学習にも共通しているのかもしれません。意識せずというか感覚として英語を使うということは私にはおそらく一生ないと思うのですが・・・。